
神奈川県警の交通違反取り締まりで、なぜ「間違った正義感」という言葉が使われたのか、気になっている方も多いのではないでしょうか。
実は、この問題の本質は単なる不正ではなく、「上司の不正を部下が止められなかった」という組織体質にあるんですね。
この記事では、報道であまり触れられていない「なぜ組織として止められなかったのか」という背景と、今後同じような問題が起きる可能性について整理していきますね。
何が起きたのか:約2700件の取り締まりが不適切だった

まず、今回の事件の概要を見ていきましょう。
2026年2月20日、神奈川県警のトップである今村剛本部長さんが謝罪会見を開きました。
第2交通機動隊に所属していた40代の巡査部長さんを中心に、不適切な交通違反の取り締まりが約2年半にわたって行われていたことが明らかになったんですね。
具体的にどんな不適切さがあったのかというと、スピード違反や車間距離不保持の取り締まりで、パトカーが対象車両と同じ速度で十分な距離を追跡せずに違反を認定していたとされています。
さらに問題だったのは、交通反則切符の追跡距離欄に、実際よりも長い「嘘の距離」を記載して交付していた疑いがあることなんです。
この巡査部長さんが関与した取り締まりは約3000件にのぼり、そのうち約2700件については疑念が払拭できないとして、違反そのものが取り消されることになりました。
総額約3500万円の反則金が返還されるという、かなり大規模な事態になっているんですね。
関わった人たちと処分の内容
この問題には、先導役だった40代の巡査部長さんと、その部下の方々が関わっていました。
巡査部長さんは取り締まり経験が豊富な方だったとされていますが、その経験がかえって問題を深刻化させた可能性もあるかもしれませんね。
部下の巡査長さんは「無理がある取り締まりが嫌で意見が言いづらかった」と証言しているそうです。
処分としては、以下のような対応が取られました。
- 虚偽記載の疑いで7人が書類送検
- 巡査部長を懲戒免職
- 計18人が何らかの処分を受ける
また、2月20日から対象者への郵送や電話通知が始まり、反則金の返還手続きが進められているとのことです。
なお、県警側は「違反のねつ造はない」と主張しているものの、適切な手順を踏んでいなかったことは認めているんですね。
「間違った正義感だった」という言葉の意味
ニュースを見て、多くの人が引っかかったのがこの「間違った正義感だった」という表現ではないでしょうか。
これは一体どういう意味なのか、気になりますよね。
この言葉からは、当事者が「悪いことをしている」という認識が薄かった可能性がうかがえます。
つまり、適切な手順を省略しても「結果的に違反している車を取り締まっているのだから正しい」という考え方があったのかもしれません。
ベテラン警察官が陥りやすい落とし穴
巡査部長さんは取り締まり経験が豊富だったとされています。
経験を積むと、「この車はおそらく違反している」という判断が直感的にできるようになることもあるでしょう。
もしかしたら、その直感に基づいて「違反しているのは確実なのだから、多少手順を省いても問題ない」という考えが生まれてしまったのかもしれませんね。
でも実際には、手順を守ることこそが法の正当性を保証するものなんです。
「結果が正しければプロセスは問わない」という考え方は、法治国家においては絶対に許されないことだと、私たちも改めて認識する必要がありますよね。
なぜこの問題が2年半も続いたのか
ここが今回の事件で最も重要な点かもしれません。
なぜ誰も止められなかったのでしょうか。
部下が声を上げられなかった組織風土
報道によると、部下の巡査長さんは「無理がある取り締まりが嫌で意見が言いづらかった」と証言しているそうです。
この証言から見えてくるのは、上司に意見を言えない組織風土があったということなんですね。
さらに問題なのは、疑念を抱いた隊員が他の上司に相談できる状況がなかったということです。
つまり、問題を感じた人がいても、それを組織内で共有したり、是正したりするルートが機能していなかった可能性が高いんです。
警察組織特有の上下関係
警察組織は階級制度が明確で、上下関係が厳しいことで知られていますよね。
これは命令系統を明確にして迅速な行動を可能にするためには必要なことかもしれません。
でも、その反面、上司の間違いを部下が指摘しづらい環境を作ってしまうこともあるんですね。
特に今回の場合、巡査部長さんは取り締まり経験が豊富なベテランだったとされています。
経験豊富な上司に対して、経験の浅い部下が「そのやり方は間違っている」と言うのは、相当な勇気が必要だったでしょう。
「成果主義」のプレッシャー
もう一つ考えられる背景として、取り締まり件数への圧力があった可能性も指摘されています。
これは確定した情報ではありませんが、警察の現場では取り締まり件数が評価の対象になることもあると言われているんですね。
もしそういったプレッシャーがあったとしたら、「効率的に」取り締まりを行いたいという動機が働いたのかもしれません。
ただし、これはあくまで推測の域を出ませんし、県警側もそのような指示があったとは発表していません。
なぜ報道では詳しく語られないのか
この問題について、ニュース報道では事実関係の説明が中心で、「なぜこうなったのか」という背景についてはあまり深く触れられていませんよね。
その理由はいくつか考えられます。
組織内部の問題は外から見えにくい
まず、組織風土や人間関係といった内部の問題は、外部からは見えにくいものなんです。
報道機関が取材できるのは、主に公式発表や関係者の限られたコメントだけですよね。
組織内でどんなやり取りがあったのか、部下がどう感じていたのか、といった詳細は、当事者しか分からない部分が多いんです。
警察組織への取材の難しさ
また、警察という組織の特性上、内部情報が外に出にくいという事情もあるかもしれません。
警察は捜査情報の保護や、組織の規律維持のために、情報管理が厳しい組織ですよね。
そのため、たとえ不祥事があっても、公式発表以上の詳細な情報を得ることが難しいケースが多いんですね。
法的な問題への配慮
さらに、7人が書類送検されているという法的手続きが進行中であることも、報道が慎重になる理由の一つかもしれません。
裁判や捜査に影響を与えないよう、メディアも表現に気を使っている部分があると考えられます。
今後どうなる可能性があるのか
この問題、今後どのように展開していくのでしょうか。
いくつかのシナリオが考えられますね。
書類送検された7人の処分
まず、虚偽記載の疑いで書類送検された7人について、検察がどのような判断を下すのかが注目されます。
起訴されるのか、不起訴になるのか。
もし起訴された場合、裁判でより詳しい事実関係が明らかになる可能性もありますね。
過去の類似ケースを見ると、公務員による文書の虚偽記載は比較的重い処分になることが多いとされています。
組織改革は進むのか
今回の謝罪会見で、今村剛本部長さんは「信頼を大きく損なうものであり、深くお詫び申し上げます」と述べています。
また、警察庁は全国の警察本部に指導チームを設置するとのことです。
これらの対応が、実際に組織風土の改善につながるのかどうかが重要なポイントになりますよね。
ただ、組織文化を変えるというのは簡単なことではありません。
形式的な研修や通達だけでは、根本的な解決にならない可能性もあるんですね。
他の警察でも同様の問題はないのか
もう一つ気になるのは、同じような問題が他の警察組織でも起きていないかということです。
今回の問題が神奈川県警だけの特殊なケースなのか、それとも他の地域でも起こりうる構造的な問題なのか。
警察庁が全国に指導チームを設置したということは、同様の問題が他にもある可能性を想定しているのかもしれません。
今後、他の都道府県警でも同様の問題が発覚する可能性はゼロではないでしょう。
返金を受けた人たちの次のアクション
約2700件、総額約3500万円の反則金が返還されるということですが、返金を受ける側の人たちはどう感じるでしょうか。
中には「やっぱり納得いかなかった」と感じていた人もいるかもしれませんね。
一方で、「本当は違反していたのに取り消されてラッキー」と感じる人もいるかもしれません。
この問題で難しいのは、県警側が「違反のねつ造はない」と主張している点なんです。
つまり、実際に違反していた可能性が高いけれど、手続きが適切でなかったから取り消した、ということですよね。
もし返金を受けた人の中から「実際は違反していたのに返金されるのはおかしい」という声が出てくる可能性もありますし、逆に「不当な取り締まりだった」として県に対して何らかの行動を起こす人が出てくる可能性もあるかもしれません。
ネットではどう受け止められているのか
この問題について、インターネット上ではさまざまな意見が出ていますね。
組織体質を問題視する声
警察組織の上下関係が厳しすぎるのが問題。部下が上司に意見できない環境じゃ、また同じことが起きる。 Xより
このように、組織風土そのものを問題視する意見は多く見られます。
たしかに、いくら個人を処分しても、組織の構造が変わらなければ根本的な解決にはならないですよね。
「間違った正義感」という表現への疑問
「間違った正義感」って言葉でごまかしてる気がする。単なる不正でしょ。 ネット掲示板より
この意見も理解できますよね。
「正義感」という言葉を使うことで、悪質性を薄めようとしているように感じる人もいるのかもしれません。
ただ、一方で、当事者の心理を理解しようとする姿勢も大切かもしれません。
悪意だけで行われたのか、それとも歪んだ使命感があったのか。
その違いを理解することが、再発防止につながる可能性もあるんですね。
返金に対する複雑な反応
3500万円返すって、税金だよね。結局は私たち市民の負担になる。 SNSより
この指摘も重要なポイントですよね。
反則金は一度は県の収入になっているわけですから、それを返すということは、結果的に公費からの支出になります。
不正を行った個人の責任と、組織としての責任、そして公費負担の問題。
これらのバランスをどう考えるかは、簡単には答えが出ない問題かもしれませんね。
警察への信頼低下を心配する声も
こういう問題が出ると、真面目にやってる警察官まで信用されなくなる。それが一番の問題だと思う。 ブログコメントより
これは本当にそうですよね。
大多数の警察官の方々は、きちんと職務を遂行されているはずです。
でも、こうした不祥事が報道されることで、警察全体への信頼が損なわれてしまう。
それが結果的に、治安維持という警察本来の機能にも悪影響を及ぼす可能性があるんですね。
私たち市民はどう考えるべきか
この問題は、単に警察組織内部の問題として片付けてしまっていいのでしょうか。
私たち市民にとっても、考えるべき点がいくつかあるように思います。
「結果が正しければプロセスは問わない」という考え方
もしかしたら、私たちの中にも「違反している車を取り締まっているなら、多少手順が違っても問題ない」という感覚があるかもしれませんね。
でも、法治国家においてプロセスを守ることは結果と同じくらい、いやそれ以上に重要なんです。
なぜなら、プロセスが守られなければ、恣意的な法の運用が可能になってしまうからです。
今日は交通違反の取り締まりでも、明日はもっと重大な人権侵害につながるかもしれません。
組織の中で声を上げることの難しさ
「部下が上司に意見できなかった」という問題は、何も警察組織に限った話ではないですよね。
私たちの職場でも、似たような状況はありませんか?
上司の間違いに気づいても、それを指摘できない雰囲気。
「空気を読む」ことが重視される日本の組織文化において、これは多くの場所で起きている問題かもしれません。
この事件を他人事として見るのではなく、自分たちの組織を見直すきっかけにできるといいですよね。
警察への過度な期待と現実
私たちは警察に対して「完璧であること」を期待しすぎているところがあるかもしれません。
警察官も人間ですから、間違いを犯すこともあります。
大切なのは、間違いを犯したときに、それをきちんと認めて改善できるかどうかなんですね。
今回の謝罪と返金対応は、その意味では一定の評価ができる部分もあるかもしれません。
ただし、本当に大切なのはこの先です。
形式的な謝罪で終わらせず、実際に組織風土を改革できるかどうか。
私たち市民も、その動きを見守り、必要に応じて声を上げていく必要があるのかもしれませんね。
過去の類似事例から見えること
実は、警察の不適切な取り締まりや不正は、過去にも他の地域で報告されているんですね。
大阪府警の事例
数年前、大阪府警でも交通取り締まりに関する不適切な対応が問題になったことがあります。
その際も、組織的な問題が指摘され、改革の必要性が叫ばれました。
でも、その後どこまで改革が進んだのか、外部からはなかなか見えにくいんですよね。
繰り返される同じパターン
こうした問題を見ていると、ある共通のパターンが見えてきます。
- ベテラン職員による不適切な行為
- 部下や同僚が気づいても声を上げられない
- 問題が表面化してから組織が謝罪
- 再発防止を約束するが、具体的な改革は不透明
このパターンを断ち切るには、表面的な対応ではなく、本質的な組織改革が必要なんですね。
成功例はあるのか
一方で、組織改革に成功した例もあります。
たとえば、企業の世界では、内部通報制度を充実させることで、不正の早期発見に成功している例があるんですね。
警察組織でも、同様の仕組みを導入し、実効性のあるものにできれば、今回のような問題を未然に防げるかもしれません。
ただし、警察という特殊な組織では、民間企業のやり方をそのまま適用するのは難しい面もあるでしょう。
警察独自の事情を考慮しながら、効果的な改革を進めていく必要がありますね。
まとめ:何が分かっていて、何が分かっていないのか
ここまで、神奈川県警の不適切取り締まり問題について、さまざまな角度から見てきました。
最後に、現時点で分かっていることと、まだ分かっていないことを整理しておきましょう。
分かっていること
- 約2年半にわたり、不適切な交通違反取り締まりが行われていた
- 追跡距離欄に虚偽の記載があった疑いがある
- 約2700件の違反が取り消され、3500万円が返還される
- 7人が書類送検され、18人が処分を受けた
- 部下が上司に意見を言えない組織風土があった
まだ分かっていないこと
- なぜこの巡査部長さんがこのような方法を始めたのか(動機の詳細)
- 組織としてなぜ早期に気づけなかったのか(チェック体制の実態)
- 同様の問題が他の部署や他の警察でもあるのか
- 今後の組織改革が実効性のあるものになるのか
- 書類送検された7人がどのような処分を受けるのか
「間違った正義感だった」という言葉には、当事者の複雑な心理が表れているのかもしれません。
悪意ではなく、歪んだ使命感がこのような結果を招いたとすれば、それはある意味でより深刻な問題とも言えますよね。
なぜなら、本人に悪いことをしているという自覚がなければ、同じことが繰り返される可能性が高いからです。
この問題の本質は、個人の資質だけでなく、それを許してしまった組織の構造にあるんですね。
今後、警察庁が設置した指導チームがどのような活動を行い、どんな改革が実施されるのか。
私たち市民も関心を持って見守っていく必要があるでしょう。
また、返金の対象になった方々がどのような対応を取るのかも、今後の展開に影響を与える可能性がありますね。
警察への信頼回復には時間がかかるかもしれませんが、透明性のある対応と実効性のある改革を期待したいところです。
今後も新しい情報が入り次第、追記します。
追記情報
※新情報が入り次第、こちらに追記します